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彷徨する自由帖

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スリランカ一人旅(2) 紅茶博物館で見る過去のマシーナリー - 古都・キャンディと郊外のハンターナ

キャンディ中心部にある古い、英国植民地時代に建てられたコロニアルスタイルの宿泊施設はクイーンズホテルという。個人的に好きな「偽物の自然」の風情ある人工池の周辺を歩き回っていると大通り沿いに見えてきて、外壁が白く、規模も大きいのでよく目立っ…

【全文公開】白昼の歓楽街、取り残された街

以下の文章は2023年1月15日発行、大阪大学感傷マゾ研究会様の会誌『青春ヘラver.6 〈情緒終末旅行〉』に寄稿したものです。 個人ブログでの公開が可能と告知されましたのでこちらに掲載いたします。 《白昼の歓楽街、取り残された街》 特定の種類の場所に旅…

スリランカ一人旅(1) 宝石のごとき「紅茶」のきらめきに魅了され - スリランカ航空を利用して光り輝く島へ

何の変哲もない飛行機内の紅茶から、すでに旅への期待が高まっていく。いわゆるコロナ禍の影響をずっと受けていたため、国外へ足を運ぶのすら数年ぶり、という驚きがある。それでもだんだん思い出してきた。こうした旅は、たとえ頻繁でなくても、確かに自分…

明治35年創業「元湯玉川館」の食事と建物 - 七沢温泉は小林多喜二が一時期隠棲した土地|神奈川県・厚木市

今回、食事と入浴を合わせた3時間滞在のプランで利用したのは、明治35(1902)年創業の元湯玉川館。現代ではドラマ『相棒』の撮影で使われたり、過去には漫画『のらくろ』の著者である田河水泡や童謡『夕焼小焼』の作詞を行った中村雨紅が逗留していたりと、時…

ティーセット・お人形・ティーカップ

しばらく前からこちらの方と一緒に暮らしています。関節部分が球体で、透き通るような美しい瞳は着脱可能な頭部のつくり。黒いドレスとヘッドドレスを本体とは別途で購入しました。合わせようと思ってもあまり目が合わないところが最大の魅力で、まさしく「…

フランシス・ハーディングの小説に引き込まれている - 世界から弾かれた者たちの紡ぐ物語

ハーディング作品で最初に手に取ったのは『カッコーの歌』だった。英国幻想文学大賞受賞、そしてカーネギー賞の最終候補作。あらすじに惹かれたのか、表紙が印象に残ったのか……もう覚えていないけれど、とにかく仕事帰りに書店で購入していて、しばらく本棚…

マキリップ《アトリックス・ウルフの呪文書》土地を愛した老魔法使い、森の女王の娘、魔法を学ぶ王弟の歩む道はいかにして交わるのか

カルデスとペルシールの間に戦が起こった。放っておけば、美しき山々と魔法学院を擁する土地ショームナルド……山羊飼いやさすらい人たちの憩いの地も、間違いなく巻き込まれる戦だった。それを止めるため、通常であれば力のバランスを保つため人界にはかかわ…

// 前回「卵」の続き 風邪をひき始めた予感がする。普通の症状とは異なる頭痛がしていて、けれど発熱はない。 寝入りばなに私は特定の夢のことを思い出す。ビルの隅に産みつけられていた鳩の卵を見て思い出した、夢。それは、自分がかなり胴の太い大きな大き…

2024年上半期のお茶紀行③ 緑茶・青茶・黒茶・ハーブティー編

2024年6月までのおおよそ半年間で触れる機会があった青茶や緑茶など、中国および台湾で産出されるお茶や、緑茶をベースに香りが付けられたフレーバードティーおよびハーブティーの記録。当時から各種SNSに残しておいた写真をこちらにも。紅茶以上に初心者の…

2024年上半期のお茶紀行② ブレンド&フレーバー毎に巡る紅茶

①に引き続き、こちらは第2弾。各種フレーバードティーや、色々な販売元が取り扱っているブレンド系の紅茶の感想を格納します。緑茶ベースのものは含まれませんので次回記事の更新をお待ちください……。当時から各種SNSに残しておいた写真をこちらにも掲載。

2024年上半期のお茶紀行① 産地&茶園別に巡る紅茶

2024年6月までのおおよそ半年間で触れる機会があった紅茶の記録。各種フレーバードやブレンドを除く、単一農園(シングルオリジン)の感想を格納します。当時から各種SNSに残しておいた写真をこちらにも。振り返ってみると意外にもブレンド系を多く飲んでい…

ヘッセの『デミアン』が本棚にあるはずだと思ってしばらく探し、見つけられず、そんなはずはないと念のためkindleを確認したら電子版で持っていた。実際に紙で所持している同著者の作品は『車輪の下』と『シッダールタ』で、それらと混同していたらしい。卵…

平成橋を渡ったら「アンティック喫茶 ともしび」がある|高知県・高知市

// JR高知駅に着いて、事前にメモしてあった店名のひとつを目指した。そこまでだいたい徒歩10分程度の距離らしい。 いわゆる純喫茶はこの駅の南側だと、はりまや橋停留所やその東西に多く集まっているようで、あまり足を動かしたくない人の場合はとさでんの…

何度でもまた、どこかへ

昨年の中盤……特に夏の終わり頃から少しばかり調子を崩していて、生きるのが苦しく、心身の余力を温存するためにできるだけ引きこもり気味に過ごしていた。そうしたら、かなり快適だったはずなのにとても寂しくなってしまった。自分でもびっくりした。何にも…

海をグラスに1杯 - 金沢八景の喫茶店オリビエ|神奈川県・横浜市

でんわ☎でんわ 楕円形の看板を一瞥して中に入る。日曜日の午後1時、店主氏がひとり、カウンターにもお客さんがひとり、とても静かだった。段差を下りるとボックス状の席が点々とある。4つあるうち埋まっているのはこれまたひとつ。窓際に着席して鞄と上着を…