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彷徨する自由帖

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純喫茶 バウハウス - 窓と草木の隙間から零れる明かり|神奈川県・横浜市

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 今年の晩春に訪れていたJR中山駅前の喫茶店、バウハウス。

 

 

 ふたたび足を運んだら、前はあったあれが無いな、と思っていた緑のカーテンが復活していて喜んだ。何とも言えない薄く軽やかな素材のカーテン。ワッフルのような格子状の網目によって生み出される奥行きと、深みのある色合い。

 それが店内の椅子に張られた布のなめらかな赤と呼応しているから、まるで、カーテンが自分の役割に自覚的であるようにも見える。赤い木の実や赤い靴を隠す、森の役割を担っているのだと。

 とりわけ、今は夜の森だ。時折凍えるような風が吹くと窓も扉もわずかに震えるのが感じられる。外を歩いている人影は本物であろうか。それともただ木立の影が、その形を観察している人間に似た姿を、自然と取るようになっただけなのか。

 18時を過ぎても開店している喫茶店があるのはこの周辺だと珍しく、暗くなってから近くを通りがかった際、お腹が空いて疲れていても軽食や珈琲、紅茶を摂取してから家に帰ることができて本当にありがたい。

 

 

 いったい何センチあるんだろう。

 視覚的にも強い印象を残す分厚い食パンの表面が焼かれ、3等分に切れ込みが入れられて、バスケットの中に横たわっている。騎士に何度も両断されて倒れたお布団のようなその佇まい。茶色い耳の部分は薄い層がいくつも重なったようになっていて、香ばしい香りがごくわずかな隙間にも蓄えられている気がする。

 たっぷりのチーズに散らされた青いねぎの風味は強すぎず、じっくり噛んでいてとても安心できた。味自体は重たくないのだがかなりボリュームはあって……忍耐強く咀嚼する。そうすると適度に満腹になってくるから、普通のバター&ジャムトーストではちょっぴり足りないかも、と危惧を抱いたのなら断然ねぎトーストはおすすめ。そして、今度はピザトーストが食べたい。この感じなら絶対おいしいに決まっている。

 セットのホットカフェオレは、癖がなく飲みやすい味。甘くない。甘さを足したければ自分で調節できるので、お好みでどうぞ。

 これらにさっぱりしたヨーグルトがついており、3点で1100円。

 

 

 扉を開けて外に出た瞬間、よかった、やっぱり来てよかった、といつも思える喫茶店。

 

 

 

 

 

 

 

Odai「わたしの癒やし」