2023年夏は地元のおすすめホテル、そのロビーでサマーアフタヌーンティーを楽しんできた。8月31日㈭まで。
ちなみに17時以降に予約をすると「スイカのカクテル」が無料で付いてくるため、都合が合うなら断然夕方に行くのがおすすめだった。陽が傾いてからの方が少しだけ涼しいし、それから徐々に薄暗くなっていく中庭を窓から眺めるのもわりと好き。
今回のサマーアフタヌーンティーで提供されたセイボリーやお菓子はけっこう酸味の強いものが多くて、爽やかさを前面に押し出しているのだと感じた。夏らしく、暑くても食欲をそそる……。
これがスイカのカクテル。
シャーベット状で、グラスのふちに塩がまぶされたソルティドッグのスタイルは、本物のスイカの果肉に塩をかけて食べているかのような錯覚をおぼえる楽しさがあった。底の方に溜まった残りはストローで吸う。
ほんのりと淡いピンク色をじっと眺めてしまう。好きな作家のエッセイに「スイカのシェイク」が何度か登場していたのを思い出して、それもこんな色をしているのだろうか、と想像した。スイカの果汁はそこで書かれているように、何ともはかない味がする。けれど確かにスイカだとわかる。
また、このサマーアフタヌーンティー期間中は、限定でオリジナルブレンド紅茶の「アイスティー」が提供される。おそらく最初にウェルカムドリンクとして出されるのがそれ。
席に座って、一息ついたところで机に届く冷たい紅茶は至福の一杯だった。爽快感とスモーキーな感じが合わさった印象のブレンド。氷とともにグラスにたっぷり注がれており、これを最もおいしく味わえるのは夏という季節の特権な気がした。夏が苦手でもそう思う。
通常の紅茶類もスタンダードからフレーバード、ハーブ系に至るまですべておかわり自由なので、冷房の効いた室内にいてだんだん涼しくなってきたら、今度は温かい紅茶で身体を温められる。良い時間。
私達はどうせならスタンダード&フレーバーを制覇しよう、ということで
・ダージリン
・アッサム
・ディンブラ
・ウバ
・アップルクイーン
・アールグレイ
・オリジナルブレンド
……をどんどんおかわりしていった。〈強欲〉とはまさにこのこと。
特にウバ紅茶のおいしさは新たな発見で、これが噂のメントール風味かぁ、と感銘を受けていた。ミルクを入れても損なわれない不思議な爽快感。淹れたてをお店で飲むのがおいしいものの筆頭だと思う。アップルクイーンも香りが強くておすすめ。すごく……林檎。すごく林檎の香り。
スコーンはパイナップルスコーンで、濃厚なクロテッドクリームの横に付随するのもパイナップルジャム。これがクリームと何とも言えない相性の良さで、新感覚だった。
最下段のお皿、セイボリーのラインナップはグリーンガスパチョ、焼きとうもろこしのキッシュ、そしてパン・バーニャ。パン・バーニャはプチサンドイッチのような感じでバンズ部分は柔らかめ。
私はしょっぱいものが大好きな人間なので、正直なところこの部分がもっともっと沢山あってもいい!! と毎回考えている気がする。それでも紅茶とスコーンと一緒にお菓子が食べられるアフタヌーンティーが好きなんだよなぁ。
焼きとうもろこしのキッシュは甘みと香ばしさのバランスが絶妙で、スイーツ類の甘さとはまた異なる味わいがたまらなかった。そしてグリーンガスパチョの酸っぱさとまた合う。かなり酸味が強く、舌にのせると色々なものが洗い流されていく印象があった。これで味をリセットしてお菓子類の方に進める。
中段は優しい桃味のムース(でも結構甘い)で構成されたアイランドタルト、チョコが刺さったレモンケーキ、そしてミントの貝殻クッキー。
最上段のメロンソーダゼリーはその名の通りメロンソーダ仕様で可愛らしく、素朴な味をしていた。昨今のクリームソーダブームをさりげなく反映した見た目なのかな。そうかもしれない。
そしてメロンショートケーキ、レモンマカロン、マリングラスの中で、最も驚いたのがマリングラスの酸っぱさとわずかな苦み。柔らかめのゼリーっぽいもの。これは中段のお皿から移ってきた際の箸休めに口に運ぶと多分、なお良い。ここに至るまでかなり甘味成分を摂取してきたので助かった。
すべての品を味わったあと、再びおかわりした紅茶をゆっくり楽しんでお開きに。ディンブラにレモンを投入して胃を落ち着かせた。また違う季節のアフタヌーンティー期間中も行くつもり。
楽しい時間だった。
◇期間 2023年7月1日(土)~8月31日(木)
◇時間 12:00~20:00(L.O.19:30)
◇金額 ¥6,072
◇場所 本館1階 ロビーラウンジ ラ・テラス
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