2024年6月までのおおよそ半年間で触れる機会があった紅茶の記録。
各種フレーバードやブレンドを除く、単一農園(シングルオリジン)の感想を格納します。当時から各種SNSに残しておいた写真をこちらにも。
振り返ってみると意外にもブレンド系を多く飲んでいたようで、本当に単一茶園の葉のみで構成されているものは少なめ。今後も引き続き、また徐々に手を伸ばしていければ、と思います。
目次:
スリランカ(セイロン)
ヌワラエリヤ
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ペドロ茶園
等級はPekoe(ペコー)。さほど芯芽を含まない、しっかりと揉まれた太めの葉のようです。
説明に「レモンのような柑橘系の風味の余韻」……とある通り、さっぱりとした爽やかな香りがする。食事にもお菓子にも合う。写真に写っているような、酸味のあるドライフルーツが練り込まれたパネトーネは個人的にぴったりのお供だと思います。
爽やかでありながら、舌触りはそこまで鋭くない。渋さもあまり出てこないので優しめ。後述するネパールのミストバレー茶園と比べ、水の色や雰囲気は近いようで結構異なる。
ルフナ
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パニルカンダ茶園
等級はOP(オレンジ・ペコー)。このあとに1という数字もついていましたが、他にはSというアルファベットで良さを強調する場合があるなど、茶園や販売元によって表記が異なるようです。
秋の森……という感じがするお茶。かさかさした枯葉を踏んで歩く晴れた日の、空気の香り。渋くなく、ごくわずかな苦味も全体のまろやかさ(「黒糖に似た」と外袋に記載がある風味)に内包されている。いれたて熱々の状態から少し冷ますとコクが顕著にあらわれるような気がするけれど、継続して何度も飲んでみないと分からなかった。
写真はレンチンであたため簡単な市販のスコーンと共に。
ウダプッセラワ
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ゴードン茶園
等級はOP1。
こちらは横浜のMITSUTEA(ミツティー)さんで購入したもの。ウダプッセラワという産地がルフナとウバの中間地点に位置し、近年そこから独立する形になっていたことなどを初めて知った。
外袋の説明にあった「干し柿のような風味」「温度が下がると甘みが増し、香ばしさも」という言葉から受ける印象は、何度も淹れて飲み続けていると確かにじわじわ感じられるようになる、奥行きのある特徴。決して分かりやすくはないけれど上品で好き。ドライフルーツなど酸味のあるものと相性が良いのではないか、となんとなく思いました。
インド
アッサム
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ドゥームニ茶園
等級はFTGFOP1。
私は目安よりも気持ち茶葉を多めに投入し、蒸らし時間もちょっぴり長めにしたものが好きかもしれない。どこか生っぽい「青み」を感じさせる茶葉の香りが無二の輝き。現地の雨季の、湿った空気すら感じさせるような豊かさが醸し出されていて、癖があると思うけれどそれが良くて飲みたくなる。
CTCではないホールリーフのこれはストレートでこそおいしいと判断しつつ、ミルクティーにしても濃厚で美味でした。
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モカルバリイースト茶園
等級はGTGFOP。
同じアッサムでも上のドゥームニ茶園と比較してみて、ストレートではどちらも同じく独特の「湿度ある青み」が感じられつつ、モカルバリイーストの方は後味に「舌の奥の方で弾けるようなふわっとした風味」がある。どう表現したらいいか分からない種類の……。シャンパン的な……でも紅茶のシャンパンといえば普通ダージリンを指すのですよね。困ったな。
ミルクを入れると青みが薄れて落ち着き、そのふんわりした感じが尾を引く。濃厚でありつつ重たすぎないところが魅力かも。写真のおやつはクアトロフォルマッジです。
ダージリン
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タルボ茶園
希少かつ高品質なのでお値段も張るファーストフラッシュ(春摘み)だった。等級はFTGFOP1。
まっすぐに突き抜けるような爽やかさと渋み、ここまでのものは他では感じることが難しい、ちょっと背伸びして飲んでみる価値のある1杯であるのは疑いがないと思う。もちろん好みが分かれるので、そもそも軽やかでガツンと来る系のお茶がそこまで刺さらないよという層に強くおすすめはしませんが……本当においしいお茶。
飲んだ後から舌の上に漂い続ける独特のフラワリーな風味、その何とも言えなさが忘れられなくて、クオリティーシーズンになると触手が伸びる。
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キャッスルトン茶園
上のファーストフラッシュとは大きく趣を異にする、セカンドフラッシュ(夏摘み)のダージリンです。クルセオン地区に位置するキャッスルトン茶園産で、等級はFTGFOP1。
水の色は春摘みのものに比べて濃くなり、まるで高地の軽やかな霧が少し重さを増して、地面の方まで近付いてきてくれたような感じがする。コクという意味での奥行きが増し、それでいてダージリン特有の爽やかさも失われていないバランスが、年間を通して求めたい味わい。
透明感がある、と感じた記憶。個人的にはお菓子よりも肉料理などと合わせたいような、ポテトチップスなどのじゃがいも系を持ってきたい気もするような。
ネパール
イラム
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ミストバレー茶園
等級はSFTGFOP1。芯芽をたくさん含んでいるもののようです。
はっきりとした渋みがありつつ、舌触りはまろやかで優しい爽やかなお茶。説明に「白い花やかすかな柑橘、フレッシュグリーンの香り」とある通りの軽やかさと、わずかな甘さがあり、水の色も明るくて綺麗。抽出時間を少し短めにとった時の青々とした風味、草らしさ(草らしさって何だろう……)もおいしいです。
添えてあるアイスはハーゲンダッツのクリーミージェラート 贅沢ぶどう。冷房のきいた部屋で温かいお茶を飲み、一緒にアイスなどの氷菓子を食べる、それが好き。
ブレンド&フレーバー編の記事はこちら: