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人に呼ばれて海の方まで行っていた。
久里浜からバスで砂浜に出て、その帰りに今度は浦賀へ移動し、京急線を横須賀中央で降りる。このあたりには久しぶりに来た。気温30度越えで浜遊びなど無謀なのではないか、と家を出るまでは思っていたけれど、いざ街に足を踏み入れてみると、陽光を遮るものなど何もない海の方が涼しかったのには驚く。
風があったからかもしれないし、それだけ都市部のアスファルトが熱を溜めこむから街は暑いのかもしれない。日陰を求めるように友達と連れ立ってしばらく歩いた。土曜日なのに、人通りは多くない。
つめたいカフェ・アマレットは、炎天下の砂浜に3時間もかがみ込んで、無心でガラスの欠片を拾っていた身体によく沁みた。
爽やかでほんのりと甘い。表面のクリームを落としてかき混ぜると、よりまろやかになる。その大きなグラスに浮かぶ砕氷が奇しくもシーグラスの形によく似ていた。
お酒の入ったコーヒーといえば、冬場に飲んだカフェ・コアントローが身体を温めてくれて美味しかったのを思い出す。先日はこうして夏場に摂取するアマレットの良さを知ったので、次は寒い時期にでも、ホットコーヒーへ投入して楽しんでみたいもの。
お酒が入っているからお水も沢山飲んで、と机に置かれた大きな水差しのガラスが、通りに面した窓から注ぐ光にきらめいた。決してうるさすぎない丁寧な接客は心地よい。
横須賀で出会った喫茶店「月印」は店内での写真撮影禁止で、20歳未満の入店もできない。
そんな、昔のパーマ店(白菊、と店内に看板が残っていた)を改装したアンティークショップ兼カフェ。奥まった路地にある。散歩していて偶然見つけたので入ってみたら、とても居心地が良くて落ち着いた時間を過ごせたのだった。
年齢制限があるのはメニューのラインナップにアルコールの入った品が多いからなのか、あるいは喫煙ができるからなのか、雰囲気作りのためか。分からないけれどもその制限はお店の感じに合っている。
内装は何ともレトロで、カウンターが昔よく見かけた「たばこ販売コーナー」のガラスケースを改造したみたいな趣だったのも個人的にそそった……土台の方に、赤い正方形の豆タイルが光っている。
飲み物のおまけ(グラスのコースターに使われている銀のトレーに添えられているのが実に素敵なのだ)のクッキーとは別に、スコーンを注文してみた。下に添えられていたうすい紙を使って、手でじかに持ってかじりつくスタイル。焼き立てなのか温め直しているのか、猫舌には熱く感じられるくらいの温度でほくほくしていて、氷の浮かんだアイスコーヒーにとてもよく合った。
そんなスコーンが乗っていた皿の模様は、少し前の時期に各所で咲いていた、蓮の花をモチーフにした絵柄。
お昼にはランチメニューも提供してるみたいだったので、また異なる時間帯にも来たい。