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彷徨する自由帖

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残存する米海軍EMクラブ(旧海軍下士官兵集会所)のシャンデリア

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 横須賀市のショッピングモール《コースカ ベイサイド ストアーズ》の一角には、かつての米海軍EMクラブで使用されていた、一台のシャンデリアが今でも使用・展示されている。

 場所は、汐入桟橋から吾妻島の周囲を廻り、新井掘割水路を通って戻るクルーズ「YOKOSUKA軍港めぐり」の受付横。ショッピングモール二階の隅にある。壁の掲示物には、簡単な説明が記してあった。

 素材は真鍮。本体は直径約2.1mで、22個の電灯が生えている。

 その柘榴を連想させる形状と、根元から伸びる蔓のような管の曲線が優美だ。

 

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 写真を見るといくつかの電灯が切れていたり、ガラス容器の部分が破損して失われたりしている箇所もあるが、そこにも手を加えずそのままにしてあるそう。さほど古くはない戦後の時代の遺産とはいえ、非常に状態が良いので感心してしまう。

 そもそもEMクラブ(EMLISHD MEN`S CLUB)は、明治35年に設立された帝国海軍の下士官兵集会所を前身とし、それが第二次大戦後に接収されてから駐留軍によって作られたものだ。

 クラブの劇場ではアメリカ人ミュージシャンによる慰問公演が行われたほか、いわゆるジャズ音楽などの発展にも寄与した、かなり大規模な娯楽施設だったらしい。

 シャンデリアがあった建物の解体は1990年の頃と最近で、現在はそこに横須賀芸術劇場や宿泊施設が建っている。残存する資料は少ないが、横須賀市のページには白黒写真が何枚か掲載してあるので、閲覧してみると面白いかもしれない。

 EMクラブの跡地にほど近い、「ドブ板通り」の散策記録もこれから記事にしようと思う。

 

 

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