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彷徨する自由帖

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名古屋の近代建築探訪(2) 文化のみち~大正期に竣工した和洋折衷の邸宅群をめぐる|愛知県旅行

教会を出てから引き続き、文化のみちを歩いていった。今回は白壁・主税・橦木エリア内にある、三つの邸宅を訪れた感想を書こうと思う。どの建物も明治末期から大正時代に建造が開始されたもので、和洋の意匠や様式がおもしろく組み合わされており、見ていて…

ロンドン芸術大学のようす:チェルシー・カレッジのファインアート学部

私は2016年の秋から美術(Fine Art)を学ぶ正規留学生として、イギリスの首都・ロンドンに2年と少しの間滞在していた。学校名はロンドン芸術大学で、セントマーチンズ・カレッジのファウンデーションコース修了後に、チェルシー・カレッジの学部(BA)へと進…

夢の島熱帯植物館の大温室を歩く|東京都・新木場にて

江東区の夢の島公園には大温室の占める一角がある。新木場駅から歩いて15分ほどで辿り着けるそこは、夢の島熱帯植物館(よく表記を間違えられるが植物"園"ではない)と呼ばれている場所だ。付近は閑散としていたが、野球場や競技場などスポーツに関連した施…

名古屋の近代建築探訪(1) 文化のみち~レンガの市政資料館から主税町教会まで|愛知県旅行

私にとっては二度目の訪問となる愛知県名古屋市。前回の季節は夏のはじめで、今回は冬のさなかだった。1泊2日の旅、初日は快晴、帰りは小雨。大きな寒波に見舞われることなく過ごすことができたけれど、おそらくは花粉の飛散によるくしゃみと鼻水に苦しめら…

ごあいさつ:当ブログの概要とお仕事について

初めましての方もそうではない方も、訪問ありがとうございます。私は千野(@hirose_chino)と申します。好奇心旺盛で、とんでもない飽き性です。この《chinorandom》は趣味で運営している個人ブログですが、何か興味をひかれるものがありましたら、ぜひ読ん…

箱根登山電車&ロープウェイの魅力と1月の大涌谷

この間、箱根の方まで出向いた。特に用事があったわけではなく、見たいものがあったわけでもない。ただ何となく。考えてみれば、自分がどこかへ行く時は理由があるからではなくて、目的地を決めてからその理由を後付けで考えていることの方が多いということ…

記事を寄稿しました:「気分循環症」という厄介な性質 - WEBメディア〈ダメです.〉へ

何かとても嬉しいことがあって、天にも昇るような心地がする。またはひどく悲しい出来事に遭遇して、どん底まで落ち込んでしまう――。このように、目の前で起こったことに反応して人間の喜怒哀楽が変化するのは正常なことだ。だが、もしも自分の感情や気分が…

謎多き世界遺産《ストーンヘンジ》を訪れる - 当時のイギリスに思いを馳せて

はるか昔に人為的に造られたものらしい、ということは判っているが、その目的が未だに不明な遺跡はこの地球上に無数に存在している。例えばイースター島のモアイ像、古代エジプトのピラミッド、ジャームのミナレット等――そして、英国の平野にのこる「ストー…

千本松牧場と、展望塔から眺めた蒼い山々|東京から在来線で行く栃木・那須塩原(2)

ピラミッド元氣温泉で一夜を過ごした後、朝にはまた軽くお湯に浸かり、チェックアウト時間ぎりぎりまで二度寝をしてしまった。お布団は人間を引き込む魔のような存在だから、あまり心を許してしまわないよう気を付けないといけないと改めて強く思う(睡眠が…

噂の《ピラミッド元氣温泉》に宿泊してみた|東京から在来線で行く栃木・那須塩原(1)

事の発端は、少し変わった温泉旅館のサイトURLが友人から送られてきたことだった。その名前は《ピラミッド元氣温泉》という。検索をかけると「元『気』温泉」と表記されているものが多く見られるが、実際には「氣」という漢字を使うのが正確であるらしいので…

ロンドンミュージカル《ウィキッド》とウエスト・エンド周辺のお手頃なレストラン

名作児童文学《オズの魔法使い》に登場する、「南の善い魔女」グリンダと「西の悪い魔女」エルファバ――。これは、少女ドロシーがカンザス州からオズ王国にやってくる以前のお話。大衆から邪悪な存在だという烙印を押されることになってしまった、エルファバ…

レアンドロ・エルリッヒの不思議な《スイミング・プール》を鑑賞する|金沢21世紀美術館

この写真に写っている不思議な《プール》を美術の教科書で見たことがある、という人は決して少なくないと思うのだが、どうだろうか? もしくは金沢の観光情報冊子に取り上げられているのを目の端で捉えて、その存在を知っていたという人もいるかもしれない。…

オックスフォードの街で:数々の博物館や植物園、スロバキア料理を楽しむ

権威ある大学が位置する場所として名高く、"夢見る尖塔の街"という優美な愛称でも呼ばれるオックスフォードの街は、ロンドンからは電車でたった1時間ほどと気軽に散策をしに訪れることができる。ここにはいちど気の向くままに歩き回った時の記録に加えて、そ…

留学中のロンドン "借り暮らし" 遍歴~ホームステイから学生寮、フラットシェアまで

私がイギリス、ロンドンで2018年の秋まで暮らしていた家の最寄り駅周辺では、そこに足を運ぶたび、路上で寝ている人達を真冬でもたくさん目にした(線路の高架が屋根代わりになっていたので特に多かった)。別に珍しいものではない。世界中のあらゆる国、も…

小樽を流れる歴史と、余市蒸留所という小さなスコットランド|北海道ひとり旅(2)

NHKの連続テレビ小説「マッサン」を視聴していた、もしくはその名を小耳に挟んだことがある――という人は一体どのくらいいるだろうか。その物語のモデルとなった人物にとても縁の深い場所が、札幌から北西の方角にある小さな町に今でも残っている。余市へと足…

記事を寄稿しました:「理想の自分中毒」患者へ捧ぐ - WEBメディア〈ダメです.〉へ

もちろんそのコミュニティの種類にもよりますが、社会や集団の中で生活を送っていると、自分が自然体で過ごせている・認められていると感じる場面はそこまで多くないような気がします。ありのままの自分を置き去りにして、「自立した人間はこうあるべき」と…

札幌の周辺で、開拓使の「赤い星」と諸外国から受けた影響を探しに|北海道ひとり旅(1)

旅の始まりは2018年の8月末。大きな地震の発生する、ほんの1週間ほど前のことである。母曰く、私は幼少期からこの島の土を幾度となく踏んだことがあるらしい。自分の中にその記憶は薄いどころかほとんど残っておらず、感覚としては今回の旅行が最初の北海道…

ブレナム宮殿と羊 - ウッドストックの世界遺産へ足を伸ばす

かの偉大な英国元首相、ウィンストン・チャーチルの生家であり世界遺産にも登録されているブレナム宮殿――オックスフォードシャーの片隅にある、その広大な庭の発展に大きく貢献したのもまた、ケイパビリティ・ブラウンなのだ。ブレナム宮殿は、アン女王の時…

イギリス留学と私生活の転機:他人のお金で大学に行くのはやめる

確かに、幼少期からある種の「生きづらさ」はずっと抱えていた。それでも人生の中で、自分が精神疾患と名の付くものの当事者になることがあるとは全く思いもしなかった。経済的な自立をしていないことから引き起こされた抑うつと、気分障害の著しい悪化にと…

南西ロンドン散歩:リッチモンドからキングストン、そして宮殿の前まで

南西ロンドンにはいろいろなものがあるが、最近ではテニスの大会、ウィンブルドン選手権の話題を頻繁に耳にするようになった。試合はその名の通りにウィンブルドンのエリアで開催されている。他にも周辺地域は川沿いの宮殿や植物園、マーケットなど見どころ…

イギリス風景式庭園の代表格《ストウ》その発展と景観

イギリス風景式庭園と呼ばれる様式のなかでも、ジョージアン時代の傑作であるストウ庭園を探索するのは楽しい。思えば私はイギリスに来てからというもの、晴れた日に公園を訪れることがすっかり好きになってしまった(正確には、数少ない晴れの日に外へ出て…

ロンドン・ハムステッド周辺散策:ケンウッド・ハウス、フロイト博物館とグルジア(ジョージア)料理店

ここには北部に広がるハムステッド・ヒースをはじめとし、その端にある17世紀の邸宅や住宅街の隅の博物館、そしてジョージア(グルジア)料理店などについて周辺地域の散策や施設訪問の記録を残しておく。また新しい場所を見つけ次第、記載する項目が増えて…

ノルウェー旅行・北欧の街オスロ(2) 街歩きと食べ物、所感など

さて、昨年に訪れた街オスロを紹介するための導入に最適な事柄は何かないかと探していたところ、こんな記事を見つけた。これは世界の都市の中で、1パイントのビールを手に入れるのに、平均でどのくらいのお金がかかるのかをランキング形式で掲載しているもの…

ノルウェー旅行・北欧の街オスロ(1) ムンク美術館やノルウェー民俗博物館、海辺の城塞

昨年の5月、ちょうど今のような季節に、大学での友人と共にノルウェーの首都を訪れた時のことを思い出した。滞在中に足を運ぶことのできたいくつかの文化施設・古城について、思い出せることと写真のうちのいくつか、また改めて調べたことなどを書き残してお…

コッツウォルズ南部でのイースター休暇|バイブリー、カッスル・クームとテットベリー周遊

三月の中旬から四月の頭にかけて、英国の街のあちこちで徐々に見かけるようになるのが卵やひよこ、ウサギ、そして羊といったようなモチーフやそれを用いた製品の数々だ。磔刑にされたキリストのその後の復活を祝うとされるこの春の行事は、イギリスだけでは…

ストラトフォード=アポン=エイヴォン周辺で過ごす週末

敬愛する、小説家でもあり文学研究者でもある人間の作品からの引用で自分の旅行記を始めるというのは、何とも恐れ多いことだ。心からそう思う。ちなみに、上に引用されている文章のうちの「御祭」はキリスト教における復活祭であるイースターのことを指して…

ウォレス・コレクション(The Wallace Collection):貴族の邸宅で触れる古典絵画の世界|ロンドンの美術館

ウォレス・コレクション(The Wallace Collection)はロンドンにある類似の施設の中でも、ナショナル・ギャラリーやヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)などに比べると大きく取り上げられることの少ない美術館のうちの一つだと思う。その存在に気…

ヨークシャー・デイルズ国立公園:イギリス留学中のクリスマス休暇旅行(2)

ブロンテ姉妹の出身地であるハワースの村や日本の皇族である佳子さまの留学した都市であるリーズを内包しているのが、イングランド最大のカウンティ、すなわちこの旅の後半に私たちが動き回った地域であるヨークシャーなのである。

湖水地方の宝石・バターミアへ辿り着くまで:イギリス留学中のクリスマス休暇旅行(1)

昨年の年末に訪れた、著名な湖水地方とその隣に広がるヨークシャー・デイルズ国立公園はイングランド北部のスコットランド国境にほど近い場所に位置しており、実に素晴らしい景観を楽しむことのできる場所だ。特に湖水地方は数多くの観光客が年間を通して足…

コッツウォルズ北部の街と村めぐり・アフタヌーンティー

昨年9月の頭、本格的に大学の授業が始まる少し前の時期に、私は幸運にもコッツウォルズの方面へと足を運ぶ機会を得ることができた。その際に訪れたのはチッピングカムデン、ブロードウェイ、ストウ・オン・ザ・ウォルド、そしてボートン・オン・ザ・ウォータ…