名作児童文学《オズの魔法使い》に登場する、「南の善い魔女」グリンダと「西の悪い魔女」エルファバ――。これは、少女ドロシーがカンザス州からオズ王国にやってくる以前のお話。大衆から邪悪な存在だという烙印を押されることになってしまった、エルファバ…
この写真に写っている不思議な《プール》を美術の教科書で見たことがある、という人は決して少なくないと思うのだが、どうだろうか? もしくは金沢の観光情報冊子に取り上げられているのを目の端で捉えて、その存在を知っていたという人もいるかもしれない。…
権威ある大学が位置する場所として名高く、"夢見る尖塔の街"という優美な愛称でも呼ばれるオックスフォードの街は、ロンドンからは電車でたった1時間ほどと気軽に散策をしに訪れることができる。ここにはいちど気の向くままに歩き回った時の記録に加えて、そ…
私がイギリス、ロンドンで2018年の秋まで暮らしていた家の最寄り駅周辺では、そこに足を運ぶたび、路上で寝ている人達を真冬でもたくさん目にした(線路の高架が屋根代わりになっていたので特に多かった)。別に珍しいものではない。世界中のあらゆる国、も…
NHKの連続テレビ小説「マッサン」を視聴していた、もしくはその名を小耳に挟んだことがある――という人は一体どのくらいいるだろうか。その物語のモデルとなった人物にとても縁の深い場所が、札幌から北西の方角にある小さな町に今でも残っている。余市へと足…
もちろんそのコミュニティの種類にもよりますが、社会や集団の中で生活を送っていると、自分が自然体で過ごせている・認められていると感じる場面はそこまで多くないような気がします。ありのままの自分を置き去りにして、「自立した人間はこうあるべき」と…
旅の始まりは2018年の8月末。大きな地震の発生する、ほんの1週間ほど前のことである。母曰く、私は幼少期からこの島の土を幾度となく踏んだことがあるらしい。自分の中にその記憶は薄いどころかほとんど残っておらず、感覚としては今回の旅行が最初の北海道…
かの偉大な英国元首相、ウィンストン・チャーチルの生家であり世界遺産にも登録されているブレナム宮殿――オックスフォードシャーの片隅にある、その広大な庭の発展に大きく貢献したのもまた、ケイパビリティ・ブラウンなのだ。ブレナム宮殿は、アン女王の時…
確かに、幼少期からある種の「生きづらさ」はずっと抱えていた。それでも人生の中で、自分が精神疾患と名の付くものの当事者になることがあるとは全く思いもしなかった。経済的な自立をしていないことから引き起こされた抑うつと、気分障害の著しい悪化にと…
南西ロンドンにはいろいろなものがあるが、最近ではテニスの大会、ウィンブルドン選手権の話題を頻繁に耳にするようになった。試合はその名の通りにウィンブルドンのエリアで開催されている。他にも周辺地域は川沿いの宮殿や植物園、マーケットなど見どころ…
イギリス風景式庭園と呼ばれる様式のなかでも、ジョージアン時代の傑作であるストウ庭園を探索するのは楽しい。思えば私はイギリスに来てからというもの、晴れた日に公園を訪れることがすっかり好きになってしまった(正確には、数少ない晴れの日に外へ出て…
ここには北部に広がるハムステッド・ヒースをはじめとし、その端にある17世紀の邸宅や住宅街の隅の博物館、そしてジョージア(グルジア)料理店などについて周辺地域の散策や施設訪問の記録を残しておく。また新しい場所を見つけ次第、記載する項目が増えて…
さて、昨年に訪れた街オスロを紹介するための導入に最適な事柄は何かないかと探していたところ、こんな記事を見つけた。これは世界の都市の中で、1パイントのビールを手に入れるのに、平均でどのくらいのお金がかかるのかをランキング形式で掲載しているもの…
昨年の5月、ちょうど今のような季節に、大学での友人と共にノルウェーの首都を訪れた時のことを思い出した。滞在中に足を運ぶことのできたいくつかの文化施設・古城について、思い出せることと写真のうちのいくつか、また改めて調べたことなどを書き残してお…
三月の中旬から四月の頭にかけて、英国の街のあちこちで徐々に見かけるようになるのが卵やひよこ、ウサギ、そして羊といったようなモチーフやそれを用いた製品の数々だ。磔刑にされたキリストのその後の復活を祝うとされるこの春の行事は、イギリスだけでは…